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【プロローグ】
1999年2月26日夜9時35分頃、アタシ・ゆりこの幼なじみの岩松佳孝(以後、よーくん)は、和歌山港から徳島行きの南海フェリーに乗って、再びあてのない旅に出た。
わずかな希望と大切なものが入っているショルダーバッグを持って旅に出たよーくん…
悲しみにぬれて、思い出にはぐれてしまったよーくんは、どんな想いで旅に出たのだろうか?
よーくんは、ショルダーバッグに入っているデイリースポーツ新聞を取り出して、社会面の右下に掲載されている三行広告を読んでみた。
『岩松佳孝さまへ…明日2月27日朝9時までにJR高松駅のエントランスホールにお越しください。必ずお迎えに参ります。竹宮』
三行広告を読んだよーくんは、涙がポロポロこぼして泣いていた。
この時、よーくんの所持金は5万円になっていた。
これからどのようにして行かなければならないのか…
よーくんは、そんなことばかりを考えていた。
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