再会。

2/32
50人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
物音しない自室の中。 私はじっと、ドアを見つめる。 慎がいなくなった今、あのドアが開かれる回数はグッと減ってしまった。 寧々さんがいない土日は、夏芽が仕事だと一度も開かれる事のない時もある。 明日はその土曜日。 寂しさに押し潰されそうだった。 ―――コンコン。 不意に鳴り響いたノック音に、体が硬直する。 「未愛、入るよ?」 夏芽だ…。 「どうしたの?」 自室に入ってきた夏芽にそう聞くと、夏芽はゆっくりソファーに腰を下ろした。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!