10/63
前へ
/165ページ
次へ
蓮斗、何を思ってるんだろう。 仕事に集中できないでいると夏川先輩に叱責される。 だけど、考えが頭から離れない。 休憩中の喫煙室。 夏川先輩はフーッとタバコの煙を吐いた。 「で?」 一言だけそういって、キリッとした目つきで私を見つめた。 私が陸斗のことや蓮斗のことを考えてることなど 夏川先輩にはお見通しなんだろう。 長い足を組み替えて新しいタバコに火をつけながら切り出す。 「恋愛の悩みを仕事に持ち込むくらいなら、 私がいくらでも話し聞くっつーの!」 ポカッと頭を軽く叩かれた。 「す、すみません」 社会人として失格だな、私。
/165ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1126人が本棚に入れています
本棚に追加