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中は人ひとり通れるほどの狭い廊下が地下へと続いていた。 怪しい音楽が流れている。 若い子が遊ぶお店にしては雰囲気が暗すぎる。 「蓮斗、ここ」 地下にたどり着き、ドアを開けると さらに大きな音楽が鳴り響き、赤い照明が照らされている。 妖しい空間、非日常の匂い。 高校生が来ていい店ではないことはわかる。 「兄貴が、ハマっていた店だよ」 「陸斗が?」 一瞬のざわめきに目を奪われた。 鉄格子に囲まれたベッドの上で、男女が裸でもつれあっている。 「な、なんなのこれ?」 お酒を飲みながらやじを飛ばす男女。 カウンター越しにウエィターもその状況を楽しんでみている。 「あぁん」 人の喘ぎ声や、情事を見るのは初めてで どうしていいかわからない。
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