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歪んでいるか、自覚してるけど。
先輩の言葉に苦笑いしながらタバコの煙の先を見つめる。
ゆらゆらと揺れる、凛子さんの思いのよう。
兄貴を選ぶか、忘れるか。
いや、忘れることなんてできないだろうな。
俺が凛子さんに関わる限り....
「それでも、離さないんだろうな俺は」
「あ?何か言ったか?」
俺は首を横に振って苦笑した。
凛子さんの気持ちなんて、無視した自分勝手な思いが膨れ上がる。
それが、いつしか、彼女を苦しめることになるなんて
この時は知る由もなかった。
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