1.階段

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『北校舎の階段を、 日暮れ時に、1人で通ると、 もう1人の自分に出会ってしまう』 そんな噂を聞いたその日、 俺はまさに日暮れ時に、 1人で、その階段を上ろうとしていた。 自分以外の、足音は無い。 なのに1段目に足を踏み出した途端、 俺は気が付いてしまった。 踊り場に、誰かが居る事に。 下りたいのなら、止まらずに行けばいい。 上りたくても、同じだ。 それなのに踊り場の人物は、 ただ、そこでジッと止まっている。 まるで、俺を待っているかのように。
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