1.階段

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大体、もう1人の自分ってなんだよ? そうは思いつつも、動悸は激しくなるばかり。 とにかく、ここを上がらなきゃいけない。 決意を決め、恐々と顔を上げ、 自分を待ち構えている相手を見上げた。 ……窓から入る、落ちかけの夕日で逆光になっており、相手の顔は見えない。 だけど、服装は分かった。 ……俺と同じ、部活のジャージ。 うちの学校は、運動部でそれなりに部員がいる部は、 みんなそれぞれジャージを作っている。 特にうちの部は、 他の部活とは色味が被っていない。 だから、見分けがつけやすい。 俺と同じ、部活の奴? だけど待てよ。 俺は今、部活の途中に、 頼まれ物をして、ここまで来ている。 他は全員、活動中のはずだ。 それなら一体、あれは誰だ?
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