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都市"クラウン"のスラム街で怒声が響く
「おいッ!! 返せクソガキッ!!」
体格のいい男3人が、黒髪で赤目の少年を追いかけている。
少年は12歳といったところか、手にはパンと少しの果実を抱えている。
少年は男の言葉なんか聞こえないかのように無視し、男たちを撒いた。
「ここまでくれば大丈夫だろう・・・」
息を切らしながら呟き、とある家の中にある隠れ通路に入っていった。
通路は迷路のようになっていたが、少年は通り慣れているのか迷わず進む。
行き止まりに突き当たったが、壁をある順番に叩くと壁が消えた。
「お兄ちゃん!!」
壁が消えた先にいた3人の1人が少年に気付く。
「モモ、リリィ、ルイ。ただいま」
「「「おかえり!」」」
少年は一人一人にパンと果実を分けた。
「クロ兄ィ・・・大丈夫だった?」
少年の名はクロとモモに呼ばれてた。
モモとルイは8歳くらいだろう
リリィはクロと同い歳であるそうだ。
「うん、大丈夫だったよ。リリィ!モモ!ルイ!何か変わったことあった?」
「いや、何もなかったよ」
ルイが答えた。
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