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ザーザー…
「雨かよ」
力のない言葉が誰に聞かれることもなく部屋に響く
不細工な空だ
夏休みだと言うのに雨が降っている
そのせいなのかはわからないが少しじめっとした気分になる
気晴らしにと思い近くにあった雑誌を手にとってみるが畳が古いためか異様な臭いが鼻を刺して集中できない
くそっ
心のなかで呟く
この家はおじいちゃんが住んでいた家だ
何十年も前に建てられた家は年をとり畳も腐りかけとまではいかないが大分古くなっている
廊下に敷き詰められた板は歩く度にギシギシと音をたてる
本当は自分の家で夏休みを過ごしたかったのだがおじいちゃんの命日がなんたらかんたらと言うことで夏休みの間はここで過ごすことになった
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