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「触るなって言ってんだろ」
宮園様が三世寺先輩の腕を引き剥がして俺の身体を解放してくれたが、今度は宮園様に抱き締められて。
「コイツは俺のだ。勝手な事言ってんじゃねぇよ」
キッパリと言い切る宮園様の言葉に、ドキッと心臓が高鳴った。
俺、宮園様の物なの?
都合の良いように解釈しちゃっていいのかな?
いいよね、いいよね?
「……光太郎の幸せを考えるなら、身を引くべきだ」
「お前が引けよ」
「……断る」
再び火花でも散りそうなくらいに二人が睨み合う。
プロポーズって事は、三世寺先輩は俺を好きだって事なのかな?
ヤバイ、全然気付かなかった。
でも、俺が好きなのは宮園様だし……。
どうしようかと宮園様の腕の中で悩んでいると、小豆色の作務衣の女性店員が「藤真さん、お客様の前ですよ」と三世寺先輩をたしなめた。
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