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「翼、今日もお昼は松森隼人と一緒?」
昼休みになり、今日はどうするのかと翼に尋ねると「うん」と頬を染めながら頷かれた。
「ごめんね、光太」
「翼が謝る事じゃないじゃん」
宮園様も昨日は嫌々付き合ってくれたみたいだし、今日は大人しく一人で食堂に行くか。
自分の席でカバンから財布を取り出し、制服のポケットに入れる。
いや、一人で食堂は寂しいしやっぱり売店で何か買おうか、なんて考えているといきなり教室がざわめき出した。
「何だろ?」
「こ、光太! アレ!」
慌てた翼が指差す先、教室のドアの所に目を向けると赤い髪の毛が見える。
赤い髪の毛で思い当たる人物は一人しか居ない。
「宮園様?」
クラスメイトが徐々にドアの所から離れて行くのに対して、俺一人だけが宮園様に近付いた。
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