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「宮園様、どうしたんですか?」
「コウ、ちょっとツラ貸せ。メシまだだろ?」
俺に『学校で話し掛けるな』と言っていた宮園様が、わざわざ俺の居る教室まで来て話し掛けてくるなんて。
「そうか、宮園様はやっとぼっち飯の恥ずかしさに気付いたんですね?」
「アホか」
突っ込みと共に頭を叩かれた俺の姿を見て、クラスメイトが何事かとざわついている。
大丈夫、これは暴力じゃなくて突っ込みですから。
暴力と突っ込みの違いは、愛があるか無いかですよ。
愛……無いかな。
「友達と約束してんのか?」
「翼? 翼には今日もフラれました」
「んじゃ、付き合え」
宮園様が俺の腕を掴んで、そのまま俺を引き摺るように歩き出した。
俺、まだ『いいよ』って言ってない。
まぁ、どうせ俺もぼっち飯の予定だったし。
とりあえず俺を心配して廊下にまで出てきた翼には「いってきます」と手を振っておいたけど。
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