12451人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
粗方掃除も終わりお昼ご飯にと残り物でチャーハンを作ったが、買い物に出た宮園様はまだ戻らない。
窓の外ではポツポツと雨が降り出しているのに。
「傘、持って行かなかったよな」
10㎏のお米を担いだまま傘は差せないだろうけど。
何とも思わずに買い物を頼んだけど、もしかしたら宮園様は今日は用事でもあったんだろうか?
落ち着かなくて部屋の中をウロウロしていると、部屋のドアが開いて肩にお米の袋を担いだ宮園様が現れた。
「おかえりなさい!」
雨に濡れたらしく、宮園様の赤い髪から雫が滴っている。
「寒い」
「ちょっと待っててください。タオル持ってきますね」
宮園様がキッチンの隅にお米の袋を下ろしているうちに、浴室からバスタオルを取ってきて宮園様の頭に被せた。
「だから雨が降り出す前に帰ってきてって言ったのに」
そのままガシガシと宮園様の髪の毛を拭いていると、「うるせぇ」と手を払われる。
「俺だって早く帰るつもりだったよ。でも外歩いてるだけで変なのに絡まれるし」
「変なの?」
.
最初のコメントを投稿しよう!