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昼過ぎに降り出した雨は夜になっても止む事は無く、更に激しさを増していた。
何か……嫌な予感がする。
いつもより早くお風呂に入り晩ご飯を食べ終え、宮園様もこんな雨の中じゃ夜遊びしたくないのかベッドの上でケータイを弄っている。
「雨、止みませんね」
「そうだな」
俺も自分のベッドに上がり、体育座りしながらカピバラのぬいぐるみを抱き締めた。
こういう日はアレがあるんだよな。
じっと窓の方に目を向けると、一瞬空が明るく光る。
数秒遅れてからゴゴゴ、とお腹に響くような低い音。
ほら、やっぱり来た!
慌ててキョロキョロと周りを見渡し、カピバラを抱き締めたまま部屋の隅に逃げ出す。
そのまま壁を背に座り込んでいると、宮園様に「何してんだ」と声を掛けられた。
「いえ? 何もしてませんが?」
自分でも声が震えているのが解る。
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