14/19

12451人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
「小さい頃にばあちゃん家で観た『奇跡の生還』ってテレビ番組で、雷に打たれて奇跡的に助かった人の話をやってて……それで雷が怖くなったんです」 「何で? 生還してんだから怖くねぇだろ」 「怖いですよ!」 宮園様は雷の恐ろしさを解っていないみたいで、俺が顔を上げると不思議そうに首を傾げていた。 「雷は落ちるんですよ!? 奇跡が起こらなきゃ生還出来ずに死んじゃう……ぅわっ!」 ビリビリと空気が震えるような轟音に、耳を塞ぐのも間に合わずギュッと目を瞑る。 もうイヤだ……。 雨よ、早く止んでくれ~! 「お前にも弱点があったんだな」 目を開けると、怯える俺を何故か宮園様はニヤニヤしながら見つめていた。 「俺の弱味を握ったのが、そんなに嬉しいんですか」 「そりゃあな、俺ばっかり弱味を握られてんじゃ面白くねぇし」 「ピーマンか! ピーマンの事か!」 「うるせぇよ」 ペシッと頭を叩かれる。 .
/400ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12451人が本棚に入れています
本棚に追加