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何だ、コレ。
翼に慰めてもらった時より、安心する気がする。
雷の恐ろしさからまだ心臓はドキドキしているけど、宮園様の体温や耳元で囁かれる声で徐々に気持ちが落ち着いていた。
「ちゃんと耳塞いでろよ」
宮園様の背中に回していた手を離し、言われた通りに耳を塞ぐ。
それから何度か雷の音は響いていたが、一人で部屋の隅に居た時より怖さは感じなくて。
「雷、遠くなったな。もう平気だろ?」
稲妻の音が離れて大丈夫になるまで、宮園様は俺を抱き締めていてくれた。
宮園様、やっぱり悪い人じゃないな。
不良のクセに……優しい。
それから宮園様とお互いに自分のベッドで寝る体勢に入ったが、まだ強い雨音にまた雷が鳴るんじゃないかと不安になって。
「宮園様、もう寝てますか?」
返事が無いのをいい事に、こっそり宮園様のベッドに潜り込んだ。
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