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文句を言いながらも、宮園様は俺がお昼に誘うといつも付き合ってくれる。
ホントは宮園様もぼっち飯が寂しかったんだろうな。
『一年二組、宮園唯。今すぐ生徒指導室に来なさい』
宮園様にカツサンドを奪われそうになり必死に抵抗していると、いきなり校内放送で宮園様が呼び出された。
「フルネームで呼ぶんじゃねぇよ」
宮園様の怒りポイントはそこですか。
「宮園様、何したんですか?」
「知らねぇ」
放送で聞こえた声の主は、前に俺を呼び出したのと同じ人物。
という事は、あの風紀委員長か。
「仕方ねぇ、行ってくるか」
宮園様が食べ終わったお弁当のパックをビニール袋に詰め込み、一度両手を上に挙げて伸びをしてから立ち上がる。
「俺が片付けておきますよ」
「あぁ、お前もさっさと教室戻れよ」
指導室へ向かう宮園様の背中を見送ってから、俺も片付けをして屋上を後にした。
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