濡れ衣

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「失礼しますっ!」 ノックもせずに勢い良く指導室のドアを開けると、以前と同じように風紀委員長が仁王立ちしていた。 さすがに宮園様は正座じゃなく椅子に座っていたけど。 「石渡君、だったな。呼んだ覚えはないが?」 銀縁のメガネを指で押し上げ、風紀委員長が俺を睨む。 「その、宮園様にどんなご用件でしょうか?」 「石渡君には関係無い」 そりゃ、まぁ……そうなんだけど。 チラリと宮園様に視線を向けるが、宮園様は長机に肘をついて不機嫌そうに顔を逸らし俺を無視していた。 「関係は……あります」 「どんな? ルームメイトというのは理由にならないぞ」 「うぁっ……えっと……」 先に言われてしまって、言葉に詰まる。 友達ってのも違うし、何て言えばいいのか……。 「ほっ……保護者です!」 とっさに口にした言葉に風紀委員長は「は?」と間の抜けた声を上げ、宮園様は冷ややかな視線を俺に向けていた。 .
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