濡れ衣

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薬師堂先輩が宮園様に視線を向けるが、宮園様は長机で頬杖をついたままそっぽを向いている。 「正直言うと少し疑っていた。問い詰めても黙秘を貫くだけで、否定もしないからな」 「え?」 宮園様が自分で『やってない』って言えば済む話なんじゃないの? 何で否定しないんだ? 「この件に関しては妙な部分があってな。犯人の心当たりが無いか調べていたら、真っ先に宮園君の名前が挙がった」 「宮園様じゃありません!」 「だから妙なんだ」 何が妙なのかと首を傾げていると、薬師堂先輩はメガネを押し上げながら短く息を吐いた。 「作為的な物を感じないか?」 「さくい……って何?」 「誰かが宮園君を犯人に仕立てようとしてるんじゃないかって事だ」 それこそ濡れ衣じゃないか! .
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