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「アホなお前の事だから、そこまで考えずに俺に近寄って来たんだろ」
「あ、だから宮園様『学校で話し掛けるな』って言ってたんですか?」
「今頃気付いたのか」
宮園様の手が、掴んでいた俺の腕からゆっくり離れる。
「アイツの言ってた通り、もう遅ぇんだけどな。それに学校の中で距離とってたって、いつかは部屋が同じなのがバレてお前を巻き込んでただろうし」
眉をひそめ、どこか辛そうな表情で宮園様が俯く。
宮園様のこんな顔を見るの、初めてだ。
「俺は大丈夫ですから」
「コウ……」
「心配しないでください。もし何かあっても速攻で逃げますから」
安心させようと俯いている宮園様の頭をよしよし、と撫でる。
すぐに手を振り払われてしまうかと思っていたのに、宮園様は大人しく撫でられていて。
「ホントバカだな、お前」
そう言って、力無く笑った。
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