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「あのさ、松森隼人は宮園様と同室だった時に、上級生とかに絡まれたりした?」
宮園様は俺が同室だとバレたら巻き込まれる、みたいな事を言っていた。
という事は、俺より前に宮園様と同室だった松森隼人にも何かあったんじゃないかと思ったのだ。
「あぁ、あったね。ガラの悪そうなヤツらに『宮園を呼び出せ』とか脅されたり」
「やっぱり! で、どうしたの?」
「関わりたくないから逃げた。サッカー部の脚力舐めんなよ」
得意気に笑う松森隼人を、翼が「カッコイイ」なんてうっとりしながら見つめている。
イチャつくのは後にしてくれないかな?
というか、俺の前でイチャつかないで。
虚しくなるから。
「そうやって逃げてたら、そのうち声を掛けられる事も無くなったな。俺を脅すより捕まえる方が大変だって思ったんじゃない?」
「さすが隼人! カッコイイね」
翼が瞳をキラキラさせて松森隼人にピッタリ寄り添った。
だからイチャつかないでってば。
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