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「あんまり怒らないでやってください」
「怒ってねぇよ」
宮園様が後頭部をガシガシと掻き、はぁ、と息を吐いた。
「もういい。別に何とも思ってねぇから」
「ホントですか?」
「あぁ」
二人の前にしゃがみ込み、宮園様に許してもらえた事に「良かったね」と声を掛けると、気が緩んだのかポッチャリ君とガリガリ君が泣き出す。
「うっ……うっ……すいません」
「泣かない泣かない。男の子でしょ?」
「うっ……すいません~…」
顔をグシャグシャにしながら泣く二人組を宥め、「ほら、もう帰りなさい」と二人を送り出した。
よし、これで一件落着……だよね?
寮の部屋に入るなり、宮園様に「何してんだ、お前は」と呆れたように溜め息を吐かれる。
「何って、犯人を見つけたのはたまたまですよ」
「そうじゃなくて」
犯人探しをしてたとでも思われたのかと正直に話したのに、どうやら宮園様が言いたい事はそうじゃないらしい。
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