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「ちゃんと謝ってもらえたの、嬉しくなかったですか?」
「別に犯人が誰だろうが、どうでもいいし」
学習机の上にドサリと乱暴にカバンを置き、宮園様が自分のベッドに腰掛ける。
「宮園様が良くても、俺は嫌です。宮園様は何も悪い事してないのに」
誤解されたままじゃ、他の人達もますます宮園様を怖がるだけだ。
宮園様は悪い人じゃないんだって、話をしてみたらちゃんと解るのに。
俺も自分の机にカバンを置き、ベッドに座る宮園様の真正面に立つ。
「明日、薬師堂先輩に話しに行きます」
「要らねぇ」
「何で」
自分のネクタイに指を掛けて緩めながら、宮園様は正面に居る俺の顔を見上げた。
「お前は俺の事信じてるんだろ?」
「もちろんですよ。宮園様が優しいのは解ってますから。……叩くけど。宮園様は悪い人じゃないですし。……叩くけど」
「だったら、それでいい」
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