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次の日の放課後。
宮園様には『要らない』と言われたけど、薬師堂先輩には報告しておこうと生徒指導室へと足を運んだ。
教室に居るかと二年生の教室がある校舎の二階に行ったがそれらしい人物は見つからず、いつも呼び出すのは生徒指導室にだったのでそこに居るんじゃないかと思ったから。
ノックをして「失礼します」とドアを開けると、案の定薬師堂先輩はそこに居て。
長机で作業をしている手を止め、「どうした」と声を掛けてきた。
「えっと、昨日の件なんですが」
「あぁ、それはもういい」
もういいってどういう事?
薬師堂先輩が椅子に座ったまま身体を俺の方に向ける。
「昼休みに一年生二人が自首してきた」
一年生二人って……あのポッチャリ君とガリガリ君か!
「三年生に脅迫されて仕方なく犯行に及んだらしい。情状酌量の余地があるとみて、反省文だけで済ませてやった」
「そうですか」
あの二人、ちゃんと反省してたんだな。
まさか自首してたとは思わなかったもん。
偉い、偉い。
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