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「全く、ケンカばかりしてるようなバカの浅慮な行動は迷惑極まりない。風紀委員の仕事が増えるだけだ」
はぁ、と溜め息を吐いて、薬師堂先輩が「そうは思わないか?」と俺に同意を求めてきた。
「え、はい! 全くもってその通りですよね!」
……『せんりょ』って何?
この人、度々難しい言葉使うよな。
会話しててちょっと疲れるわ。
「脅迫した三年生はまだ見つかっていないが、他の風紀委員に調査させている。見つかるのも時間の問題だ」
足を組み、銀縁のメガネを指で押し上げて、薬師堂先輩がニヤリと笑う。
「風紀から逃げられはしない」
風紀委員ってそんな恐ろしい組織でしたっけ?
「そうだそうだ、風紀委員はスゴイんだからな! 風紀委員ナメんなよ……って、オレ風紀委員と関係無いんですけど!?」
盛大なノリツッコミを披露したのは、茶髪の寮長。
黙々とプリントをホチキスで留める作業をしていたから風紀委員なのかと思っていたが、どうやら違うらしい。
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