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「黙って働け」
「やっくん、ヒドイ。オレ風紀委員じゃないけど手伝ってあげてるのに!」
「煩い、お前の口をホチキスで留めてやろうか?」
「ごめんなさい」
薬師堂先輩にギロリと睨まれ、大人しくなった寮長が再び作業を始めた。
寮長、また何か薬師堂先輩を怒らせるような事でもしでかしたのか?
「あの、これで宮園様が無実だって信じてもらえましたよね?」
「そうだな」
「良かった」
ホッと息を吐く俺を、薬師堂先輩がじっと見つめる。
「何ですか?」
「宮園君の容疑が晴れて嬉しいか?」
「そりゃ、嬉しいですよ」
宮園様は自分が疑われてるのに『どうせ信じてくれない』と否定も何もしなかった。
でも俺は、宮園様は悪くないって信じてもらいたかったし。
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