理由

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だから、宮園様と話をしている俺を『ズルイ』って言ってたのか? 俺を妬む前に宮園様に話し掛ければいいのに。 「お礼、言えば? 宮園様だって喜ぶよ、多分」 「言えない……」 「何で?」 藤代君が自分の手をギュッと握る。 「アンタには……解んないよ……」 それは俺が無神経だとでも言いたいのか? 失礼な、俺はこう見えて気遣いの出来る空気の読める男ですよ。 「コウ、何してんだ?」 藤代君と二人、玄関の床に座り込んでいる状態で頭上から声を掛けられて。 振り返ると宮園様が呆れたような顔で俺を見ていた。 「何って、お話してるだけです」 「そんな所に座り込んでか?」 宮園様の視線が藤代君に向けられ、「ソイツは?」と尋ねてくる。 .
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