12448人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
寮の部屋に着くなり、宮園様はカバンを机の上に置いて「コウ」と俺の名前を呼ぶ。
「お前、アイツに話しただろ」
「アイツ?」
「あの風紀委員だよ」
アイツって薬師堂先輩か。
宮園様に見つからないように薬師堂先輩に会いに行ったのに、何で知ってるんだ?
「話す必要ねぇって言っただろ」
「え、何でバレてるんですか」
宮園様が制服のブレザーを脱ぎ、学習机の椅子に掛ける。
「たまたまお前が生徒指導室に行くのを見かけたんだよ」
「う……」
気まずさから机に手をついて俯いていると、宮園様に後頭部を軽く叩かれた。
「余計な事しやがって」
「俺にとっては余計な事じゃないです」
「……」
そのままグシャグシャと髪をかき混ぜられる。
.
最初のコメントを投稿しよう!