理由

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寮の部屋に着くなり、宮園様はカバンを机の上に置いて「コウ」と俺の名前を呼ぶ。 「お前、アイツに話しただろ」 「アイツ?」 「あの風紀委員だよ」 アイツって薬師堂先輩か。 宮園様に見つからないように薬師堂先輩に会いに行ったのに、何で知ってるんだ? 「話す必要ねぇって言っただろ」 「え、何でバレてるんですか」 宮園様が制服のブレザーを脱ぎ、学習机の椅子に掛ける。 「たまたまお前が生徒指導室に行くのを見かけたんだよ」 「う……」 気まずさから机に手をついて俯いていると、宮園様に後頭部を軽く叩かれた。 「余計な事しやがって」 「俺にとっては余計な事じゃないです」 「……」 そのままグシャグシャと髪をかき混ぜられる。 .
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