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「面倒かけて悪かったな」
真剣な表情の宮園様に覗き込むように間近で見つめられ、ドキッと心臓が高鳴った。
「あ、謝らないでください。珍しく宮園様が謝ったりなんかして、明日嵐にでもなったらどうしてくれるんですか」
目を逸らし照れ隠しにそう言うと、宮園様がクスリと笑う。
「いいな、それ。ついでに雷でも鳴ってくれりゃいいんだけど」
「止めてください」
聞きたくないと両手で耳を塞ぐと、宮園様にガシガシと頭を撫でられた。
宮園様、何だか今日は元気ない?
いつもみたいな激しい突っ込みがくるかと思ってだけどな。
「あの、宮園様」
「何だよ」
薬師堂先輩に聞いた話をしてもいいか迷ったが、黙っていてもいつかバレてしまうかもしれない。
だったら正直に話すべきだ。
俺の気持ちも。
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