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「嫌です。部屋は替わりませんよ」
「コウ……」
宮園様のネクタイを掴み、グイッと引っ張ってこちらに顔を向かせる。
「俺の部屋はここです。宮園様が『出て行け』って言っても出て行きませんから!」
「……」
キッパリと言い切るが、宮園様は何も言わず俺を見つめていた。
「俺は怖くなんかないです。だから……」
「コウ」
宮園様の腕が伸びてきたと思ったら、身体を引き寄せられて。
てっきりまたプロレス技でもかけられるのかと身構えていたのに、宮園様は俺の肩に顔を埋めるように抱きついてきた。
「え、宮園様?」
「お前はホントに……しょうがねぇな」
「どういう意味ですか、しょうがないって」
「黙ってろ」
叱られてしまったので、言われた通り黙って宮園様の背中に手を回しポンポン叩く。
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