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「石渡くーん、開ーけーてー!」
寮の部屋で晩ご飯を食べ終えキッチンで洗い物をしていると、部屋の外から迷惑なくらいの大声で誰かが俺を呼んでいた。
宮園様はお風呂だし、俺が出るしかないか。
洗い物で濡れた手を布巾で拭き、「どちら様ですか~?」と部屋のドアを開ける。
すぐに視界に入ったのは大きな段ボール。
「重いー」
と、それを抱えた山本先輩。
「何ですか、それ」
「ちょっと退いてー」
邪魔にならないように身体を避けると、山本先輩がかなり重さのありそうな段ボールをドンッと床に置いた。
「うん、オレ頑張った」
額の汗を拭う仕草をして、山本先輩は一仕事終えたかのように爽やかに笑う。
え、何なんですか?
「管理人から預かってきた。石渡君宛の荷物だって」
「俺に?」
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