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段ボールの上部には運送会社の伝票が貼り付けてあり、宛先には確かに俺の名前。
送り主は……ばあちゃんか。
「仕送り?」
「みたいです。わざわざ持ってきてくださって、ありがとうございます」
「いいのいいの、ついでだから」
本当なら俺が管理人の部屋に取りに行かなきゃいけないのに。
何のついでかは知らないけど有り難い。
「で、石渡君? キミって早起き得意?」
「は?」
突拍子もない質問に首を傾げていると、山本先輩が俺の肩にポンッと手を置く。
「得意そうだよね? ここはオレを助けると思ってさ、明日の朝付き合ってくんない?」
「あの、何の話ですか?」
「7時前には迎えに来るから。仕度して待っててね」
ニッコリと微笑み、俺の肩を何度か軽く叩いてから、山本先輩は「じゃ、明日ねー」と片手を振り部屋を出て行った。
え、俺『いいよ』って言ってない。
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