不良と同室になりました。

風紀委員

次の日の朝、部屋まで迎えに来た山本先輩に連れられて来たのは校舎の正面玄関前。
薬師堂先輩の前に並ぶ列の中に、俺と山本先輩も混じっている。

え、これ何の集団？

「制服を着崩している者、髪を染めている者は全て指導対象だ。ピアス等のアクセサリー類は全て没収」

「はい！」

薬師堂先輩の言葉に、集団が一糸乱れず返事をしていた。

「あの、山本先輩？」

「秋人先輩って呼んで」

「それは今いいですから」

薬師堂先輩に見つからないように、前列に並ぶ生徒の陰に隠れてこそこそと小声で話す。

「これ、何ですか？」

「抜き打ち服装検査」

服装検査って事は、もしかしてこの集団は風紀委員？

「何で俺まで？」

「風邪で休んでる子も居るみたいで、風紀の手が足りないからってオレが呼ばれたんだよね。というか、やっくんに『寮内での健康管理が出来てないのは寮長の責任だ』とか言われちゃって」

「言いがかりじゃないですか」

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