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「ね、面白いでしょ」と山本先輩が三世寺先輩を見ながらニヤニヤ笑っている。
いや、武士って。
そういう夢を抱くのは小学生まででしょ。
俺も小学生の時は『小料理屋の女将になって、仕事に疲れた刑事の愚痴を聞いてやりたい』とか思ってたけどさ。
いや、当時ばあちゃんと見てた刑事ドラマにそういうシーンがあったんだよ。
じゃあ、時代劇みたく自分の事を『拙者』とか言っちゃうのかな?
言っちゃうのかな!?
期待に胸を膨らませていると、話を終えた三世寺先輩が俺と山本先輩の元に近寄ってくる。
「……とりあえず二人には風紀委員の補佐をしてもらう事になった。俺についてきてくれ」
言わないのかよ!
ガッカリしていると山本先輩に「どうかした?」と心配されてしまった。
俺……時代劇好きなんだけどな。
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