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寮から校舎に続く道から、続々と生徒達が登校を始めている。
一人一人足止めしていては時間がかかるから、服装が乱れている人だけを重点的にチェックするらしい。
「あの、補佐って何をすればいいんですか?」
山本先輩は既に風紀委員の手伝いの事を忘れたのか、登校してきた友達らしき人と呑気に会話をしている。
俺としては頼まれた仕事ならしっかり手伝いたいので、三世寺先輩に何をすべきか尋ねたのだ。
「……指導対象になりそうな者に声を掛けて足止めしてくれればいい。指導は我ら風紀委員が行う」
「指導対象になりそうな人……」
宮園様は真っ先にアウトだな。
ネクタイちゃんと締めないし、髪赤いし。
そういえば宮園様、ちゃんと起きれたのかな?
一応俺が部屋を出る時に声を掛けたけど。
「三世寺先輩ってこうしてお話するの初めてですね。というか、薬師堂先輩以外の風紀委員は今日初めて見ました」
「……他の者もそうだが、特に俺は薬師堂様の命を受けて出払ってる事が多い」
以前の宮園様冤罪事件の時も、薬師堂先輩が他の風紀委員に探らせてる、みたいな事を言ってたっけ。
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