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「時代劇の話題に乗ってくれる人が居なかったので、嬉しいです」
「……そうか」
「そうです。あ、すみません。風紀委員の手伝いしに来たのにお喋りばっかりしちゃって。しっかり働きます!」
右手を額に当てビシッと敬礼すると、三世寺先輩に真面目な顔で「……頑張れ」と励まされてしまった。
微力ながら務めを果たそうと登校している生徒の波に目を凝らす。
しばらくして風紀委員が茶髪やネクタイを忘れた人などを指導している中、遠くからでも目立つ赤い髪が見えてきた。
「宮園様~!」
手を振る俺に気付いた宮園様が眉をひそめる。
「宮園様、偉い! ちゃんと一人で起きられたじゃないですか!」
「お前は俺を何だと思ってるんだ」
誉めただけなのに頭にチョップをされた。
「つーか、お前何してんだ?」
「抜き打ち服装検査です」
「何でお前が?」
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