12448人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
風紀委員でもないのに俺がこの場に居るのが不思議らしい。
うん、俺もそう思うよ。
「風紀委員の手が足りないから手伝いを頼まれたんですよ」
「ふ~ん」なんて興味無さそうに宮園様が声を返す。
「そんな呑気にしてる場合ですか。宮園様も指導対象なんですよ?」
「知らねぇよ」
「そんだけ赤い髪して、とぼけるつもりですか。叱られないうちに謝っちゃった方がいいですよ。風紀委員には怖い人が居ますから」
三世寺先輩は優しそうだけど、薬師堂先輩は容赦無さそうだし。
「石渡君、そいつを捕えておけ」
突然俺の背後から聞こえた威圧感のある声に、ビクリと肩が跳ね上がった。
三世寺先輩の声じゃない。
解っているのに後ろを振り返るのが怖い。
.
最初のコメントを投稿しよう!