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「あの、山本先輩って寮長ですよね?」
「うん、見えなくても寮長だよー」
「ちょっと相談なんですが、寮の部屋で鍋をやるにはどうしたらいいと思いますか?」
もしここに宮園様が居たら『まだ諦めてなかったのか』とでも突っ込まれそうだけど。
せっかくばあちゃんに送ってもらった白菜だ、どうせなら美味しく食べたい。
「普通にやれば? 部屋でガスのカセットコンロは使えないけど、卓上型のIHコンロなら持ってるから貸せるよ?」
「ホントですか!?」
途端に山本先輩が神々しく見えた。
それはもう、拝んでしまいたくなるくらいに。
「いいね、鍋。友達とやるの?」
「まぁ、宮園様と二人きりなんですけど」
二人きりで鍋ってのも寂しいかな?
でも翼を誘って目の前でイチャつかれたら、せっかくの鍋が楽しめそうにないし。
チラリと山本先輩を窺うと、「鍋、いいな~」なんて少し拗ねている。
これは……誘ってほしいって事なのか?
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