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「山本先輩もご一緒しませんか?」
「え、いいの?」
『いいの?』って、誘ってほしそうな顔してたクセに。
「構いませんよ、鍋は大勢の方が楽しいですから」
山本先輩には卓上型コンロを借りるんだし、一人くらい増えたってどうって事無いよな。
宮園様だって山本先輩ならそんなに嫌がらないだろうし……多分だけど。
余程嬉しかったのか、山本先輩は「鍋~!」と叫びながら握った拳を天に突き上げている。
「じゃ、早速やっくんも誘ってくる」
「……は?」
「さんちゃんにも声掛けてこよーっと」
「え……ちょっ……」
俺が引き留める前に山本先輩は軽やかな足取りで二人を誘いに行ってしまって。
「薬師堂先輩はまずい……よね?」
宮園様の不機嫌そうな顔が容易に想像出来てしまい、両手に紙パックジュースを手にしたまま頭を抱えその場に蹲った。
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