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「石渡君なら風紀委員に向いていると思うのだが。世話好きだし、何よりあの宮園君を大人しくさせる事が出来るくらいだしな」
「買いかぶりすぎですよ」
世話好きというより料理や洗濯などの家事が好きなだけだし。
宮園様にはいつも叩かれてばかりで敵わないし。
「今すぐが無理なら来年度からでもいい。石渡君ならいつでも歓迎する」
「えっと……委員会に入る気は無いので」
「それは何故だ?」
薬師堂先輩がカゴを持つ手と反対の手の指で、自分の銀縁のメガネを押し上げる。
「委員会になんか入ったら忙しくて、宮園様にご飯を作ってあげられなくなっちゃいます」
「委員会より宮園君のご飯が大事という訳か」
「ご飯は大事ですよ!」
健康管理はまず食事から。
俺のばあちゃんの教えだ。
だから俺はいつも栄養バランスを考えて献立を決めている。
結局は宮園様のリクエストで肉料理になっちゃうけどさ。
それでも野菜も食べてもらおうと工夫してるし。
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