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二人を部屋に招き入れ、エコバッグをキッチンのシンクの上に置く。
その間に山本先輩が借りてきた大きめのテーブルを部屋の真ん中にセッティングしてくれた。
「宮園様はまだ帰ってないんですね」
「そうみたい。でなきゃオレ、部屋の前で一人寂しく待ってないし」
「ですよね」
先輩の前で着替えるのも気まずいので、制服のブレザーだけを脱いでYシャツの袖を捲る。
宮園様、早く帰って来ないかな。
鍋はみんな揃ってから始めたいし。
「鍋はやっぱりカレー鍋かトマト鍋じゃない?」
「流行り物に踊らされるのはバカの特徴だな。鍋といえば水炊きだろう?」
「水炊きなんて普通すぎてつまんないじゃん」
この二人を俺一人でどうにかするのは荷が重い。
「ケンカしないでください。それに今日は寄せ鍋ですから」
山本先輩がキッチンまで来て、「何買って来たの?」と材料を準備する俺の手元を覗き込んできた。
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