不良と同室になりました。

鍋

「そういやお前、鍋がどうとか言ってたな」

「寮長に相談したら卓上型コンロとか貸してもらえたんです」

「寮長って誰？」

宮園様の質問に答えるようにキッチンから「オレでーす」と山本先輩が顔を出す。

「ねー、海老ってもう入れていいの？」

「はい。ほら、宮園様も座って。みんなで仲良くご飯を食べましょう！」

ドアの近くから動かない宮園様の背中を押して、無理矢理テーブルに着かせた。
薬師堂先輩の向かい側だけど、鍋を挟んでケンカなんてしないよね？

テーブルの真ん中に設置された卓上型IHコンロの上では、野菜やキノコ、鱈に海老に鶏肉の入った寄せ鍋が美味しそうに煮えている。

ガスのカセットコンロと違うからどうかと思ってたけど、IHコンロもちゃんと火力はあるんだな。

「薬師堂先輩、お皿貸してください」

宮園様の隣に座って空のお皿を受け取り、鍋の具材をよそってから「はい」と薬師堂先輩に手渡す。

「すまない」

「いいえ」

薬師堂先輩はお客様ですからね。

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