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「海老くらいなら、俺だって買ってやれる」
「わざわざ買ってもらわなくても、宮園様からはちゃんと食費貰ってるじゃないですか」
「そういう意味じゃねぇよ」
箸をくわえたまま、宮園様が不機嫌そうに顔を背ける。
え、じゃあどういう意味?
ってか宮園様、お行儀悪いよ。
「まるで母親を取られたと拗ねる子供みたいだな」
宮園様の正面に座っている薬師堂先輩が、からかうようにクスクス笑っていて。
気に入らなかったのか宮園様は「拗ねてねぇよ!」と薬師堂先輩に噛み付いた。
「ケンカしないでくださいよ」
翼を誘ったら目の前でイチャつかれて鍋が楽しめないと思ってたけど、目の前でケンカされるよりはマシだったかも。
やっぱり不良と風紀委員は相容れない存在なんだな。
こんな状況でも平気なのかと俺の向かいに座る山本先輩に目を向けると、「美味しいねー」なんて呑気に鍋を堪能している。
「うどん入れていい? うどん食べたいー」
寮長なんてやってるくらいだし、山本先輩は大物なのかも。
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