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「宮園君って石渡君をあだ名で呼んでるみたいだし、仲良しな証拠じゃん。オレもあだ名で呼びたーい」
「名前くらい、好きに呼んでください」
「んじゃ、コウくん。うどん入れてー」
ニコニコと無邪気な笑顔で山本先輩がビニール袋に入ったままのうどんの玉を差し出す。
どんだけうどん食べたいんだ、この人。
「ほら、やっくんも『コウくん』って呼びなよ」
促すように山本先輩に背中をバンバン叩かれて、薬師堂先輩が眉間に皺を寄せ「何故俺に振る」と心底嫌そうに呟いた。
「やっくん、照れてる?」
「そんな訳無いだろう」
「もしかしてやっくん、コウくんにラブ芽生えた?」
「お前に殺意なら芽生えたな」
殺意だの何だの言ってるけど、この二人も仲が良いんだよね。
いや、山本先輩が一方的に薬師堂先輩に懐いているようにも見えるかな。
ラブが芽生えるとかいう発想はどうかと思うけど。
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