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「いいじゃん、ラブ! 『恋愛は人生を豊かにする』って偉い人が言ってたような言ってなかったような気がするし」 「バカは黙ってうどんを食べていろ」 いや、うどんまだ煮えてませんから。 チラリと宮園様の顔を窺うと、宮園様は未だ不機嫌そうに椎茸を食べている。 『恋愛』と言われて頭に浮かんだのは、宮園様に好意を寄せているっぽい藤代君の顔。 もし藤代君と宮園様が付き合う事になったら、俺また部屋を出て行かなきゃいけないのかな? いや、宮園様に『出て行けと言われても出て行かない』と啖呵を切ったばっかりだし。 でも……何だろう。 何かモヤモヤする。 「コウ」 「え!? はい、何でしょう!?」 「うどん食いたい」 「あ、うどんね!」 いきなり話し掛けられて動揺する俺を、宮園様が不思議そうに見ていて。 平静を装いながらうどんを取ろうとして、箸から滑り落ちたうどんで鍋の汁を溢し「何してんだ」と宮園様に叱られてしまった。 .
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