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鍋を食べ終わってからも、山本先輩と薬師堂先輩が片付けを手伝ってくれた。
普段はあまり片付けを手伝わない宮園様も珍しく率先して手伝ってくれたのが不思議だったけど。
その間もずっと薬師堂先輩を睨んでいたし。
「楽しかったー。またやろうね」
借りた鍋と卓上型IHコンロを手にご満悦な山本先輩がヒラヒラと手を振る。
その隣で薬師堂先輩が大きめのテーブルを抱えたまま俺を手招きしていた。
「ん? 何ですか?」
すぐ傍まで近付くと、薬師堂先輩が俺の耳元に口唇を寄せる。
「さっきの話、俺は本気だからな」
「さっきの?」
「お前を諦める気は無い」
あぁ、さっきのって俺を風紀委員に勧誘した時の話か。
風紀委員に入る気は無いんだけどな~。
「うわっ!」
突然腕を掴まれたと思ったら、宮園様に強引に引き寄せられた。
「え、宮園様?」
「コイツに近寄るな」
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