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次の日、一時間目の授業が終わった休み時間に、俺の教室まで来た三世寺先輩に廊下に呼び出された。
「……昨日はすまなかった。せっかく誘ってくれたのに所用で断ってしまって」
誘ったのは山本先輩なんだけどな。
でも、わざわざ謝りに来てくれたのか?
三世寺先輩、律儀だな。
「用事があったなら仕方ないですよ。それにこっちこそ、いきなり誘ってしまってすみません」
「……いや。俺は平日でも剣術道場に通っている。稽古が無い日なら付き合おう」
剣術道場?
そういやウチの学校には剣道部なんて無かったっけ。
だから学校外の道場に通ってるのも。
「やっぱり武士といえば剣術ですもんね」
「……武士?」
三世寺先輩が無表情で首を傾げている。
「アレ、三世寺先輩って将来武士になりたいんじゃないんですか?」
「……今時、小学生でもそんな事は言わないだろう」
「え? だって山本先輩が……」
「……武士の精神に憧れるとは言ったが」
もしかして俺、騙された?
騙されたの!?
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