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「宮園様、酷い」 「酷くねぇ。お前は今日一日そこから動くな」 ベッド脇に仁王立ちした宮園様が『そこ』とベッドを指差す。 「無理です」 「いい度胸してんじゃねぇか」 宮園様の眉間に皺が寄っているから、これ以上怒らせるのは得策じゃないかも。 仕方なくもぞもぞと布団に潜り込むと、宮園様が「よし」と頷いた。 今日一日ベッドから動くなって……それじゃ掃除も洗濯も出来ない。 後、ご飯の片付けも。 「まずは飯の片付けだな。その前に体温計か?」 「体温計なんて、この部屋にありませんよ」 前に山本先輩に救急箱を借りた後に部屋を探してみたが、思った通り救急箱なんて無かった。 何故か絆創膏だけはキッチンにあったけど。 「山本先輩なら救急箱持ってるから、体温計もあると思いますよ? あ、俺借りて来ます」 ベッドから上半身を起こすと、宮園様に「何でお前が行こうとしてるんだ」と額を押し付けられてベッドに戻されてしまった。 .
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