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宮園様が温めたお粥の入ったお皿を俺に手渡してくれる。
「お粥を買うなんて……」
「作れねぇんだから、仕方ねぇだろ」
お粥なんて部屋にお米があるから、それで作れるのに。
「食べさせてくれないんですか?」
「ばっ……そんなん、する訳ねぇだろ!」
冗談のつもりだったのに、宮園様に真っ赤な顔で怒られてしまった。
そんなに怒らなくたっていいのに。
食欲が無いからお粥は半分も食べられなかったけど、桃の缶詰は食べやすかったからお粥よりは食べられた。
それから薬を飲んでまた布団に横になる。
さっき熱を計ったら38℃くらいだったけど、薬を飲んだから大丈夫かな?
「宮園様~…」
「何だよ」
食べ終わったお皿を片付けた宮園様が、ベッドの横の床に座って俺の顔を覗き込んできた。
「宮園様のご飯は……」
「俺は適当に食うからいい。つーか、俺の心配してる場合かよ」
「だって……」
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