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「何してんだ、お前は。病人で遊ぶな」
先輩であり寮長でもある山本先輩の茶髪の頭を、宮園様が躊躇いもなく平手で叩く。
宮園様、いつもなら叱る俺ですが……ナイス突っ込みです。
「ちょっとしたお茶目なのにー」
「もうお前、帰れよ」
言い方は酷いが、宮園様は俺がゆっくり休めるようにと言ってくれたんだろう。
……多分。
「いいよ、もう。『宮園君に虐められた』って部屋の隅で体育座りして落ち込んでやるから」
「体育座りでも正座でも何でもいいから、帰れ」
宮園様に冷たくあしらわれたのが不満なのか、山本先輩が頬を膨らませて拗ねている。
この人、俺より年上だよね?
「じゃあ、オレ帰るから。ちゃんと寝てるんだよ?」
布団をポンポンと叩いてから山本先輩が追い出されるように帰って行くと、部屋の中が静寂に包まれた。
「お前が来たから、うるさくて寝られねぇんじゃねぇか」
ポツリと呟いた宮園様の台詞には、同意するしかなかったけど。
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